我々外遊びをする人間にとって外の世界というのは、本当にかけがえのない場所である。
それは母なる湖・琵琶湖であっても、日本の屋根・日本アルプスであっても、家から少し歩いたところにある三面を護岸された小川であっても。
ある昼下がり、ふと橋の欄干から川面を覗くとハヤが群れている。
時折身を反転させた個体の腹部がギラリと光る。幼少期に近所の川でしたオイカワ釣りを思い出す。たくさんの魚影が見えるのに、アタリもあるのに、針掛かりしない。
そこで針のサイズを変えたり、餌をちぎって針先を隠すようにセットしたり、工夫をするうちに面白いように釣れだした。
その当時の喜びを今も明確に覚えているし、大人になった今も同じような事で大いに喜んでいる。
自分で工夫したり考えたりする余白を、自然はいつも我々に残してくれている。
この余白を味わうことこそ、外の世界を楽しむ事なのだと思う。